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Grund, J.*; 浅井 雅人; Blaum, K.*; Block, M.*; Chenmarev, S.*; Dllmann, Ch. E.*; Eberhardt, K.*; Lohse, S.*; 永目 諭一郎*; Nagy, Sz.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 972, p.164013_1 - 164013_8, 2020/08
被引用回数:6 パーセンタイル:59.94(Instruments & Instrumentation)ペニングトラップ型質量分析装置TRIGA-TRAPとTRIGA Mainz研究炉との結合に成功した。これにより、炉心近くに設置したU標的の中性子核分裂によって生成された短寿命核の高精度質量測定が可能となった。ターゲットチャンバから表面電離イオン源への短寿命核の効率的な輸送のためにエアロゾルガスジェットシステムを使用した。新規イオン光学系および改良型ビームモニタリングシステムを導入するとともに、実験装置のコミッショニングが終了した。表面イオン源の設計、実験装置の効率、および本装置を用いて得られた最初の結果を報告する。
赤木 浩*; 熊田 高之; 乙部 智仁*; 板倉 隆二*; 長谷川 宗良*; 大島 康裕*
Chemistry Letters, 49(4), p.416 - 418, 2020/04
被引用回数:1 パーセンタイル:4.73(Chemistry, Multidisciplinary)We demonstrate isotope selective ionization of IBr and IBr isotopologues using field-free alignment induced by a linearly-polarized nanosecond laser pulse with rapid turn off at the maximum. Following the switched nanosecond pulse irradiation, a 60-fs laser pulse ionizes one of the isotopologues preferentially. The ion yield ratio (IBr)/(IBr) varies in the range of 0.93-1.06, depending on time delay between the pulses. This is the first demonstration of laser isotope separation of heavy elements using field-free alignment and angular dependent ionization.
園田 哲*; 片山 一郎*; 和田 道治*; 飯村 秀紀; Sonnenschein, V.*; 飯村 俊*; 高峰 愛子*; Rosenbusch, M.*; 小島 隆夫*; Ahn, D. S.*; et al.
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2019(11), p.113D02_1 - 113D02_12, 2019/11
被引用回数:1 パーセンタイル:11.4(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所の不安定核ビーム施設(RIBF)では、入射核破砕反応や核分裂で生成される多くの核種からインフライト分離装置(BigRIPS)を用いて実験対象の核種を分離している。しかるに、分離された残りの核反応生成物の中にも核構造から興味深い多くの不安定核が含まれている。これらをBigRIPSから取り出して研究することができれば、RIBFの有効利用につながる。そこで、BigRIPS内に設置したガスセル中で核反応生成物を停止させてレーザーでイオン化して引き出す装置(PALIS)を開発中である。開発の一環として、RIBFのKrビームの破砕反応により生成するSe近傍の不安定核をガスセル中で停止させる実験を行なった。実験結果は破砕反応の模型計算の予測とよく一致し、ガスセル中での停止効率は約30%と評価された。この結果を基に、次のステップとして、停止した核反応生成物をガスセルから引き出すことを行う。
横山 啓一; 松岡 雷士*
量子ウォークの新展開; 数理構造の深化と応用, p.228 - 242, 2019/08
拡散現象の数理モデルである古典的ランダムウォークの量子力学版として量子ウォークが数理統計分野で注目されている。この量子ウォークを光と物質の相互作用に応用することにより全く新しい同位体分離のスキームが可能になることを示す。また、その革新性と課題を紹介する。
小林 孝徳*; 松岡 雷士*; 横山 啓一
Computational and Theoretical Chemistry, 1150, p.40 - 48, 2019/02
被引用回数:1 パーセンタイル:1.99(Chemistry, Physical)セシウムの同位体分離法の開発に関連して、ヨウ化セシウム分子とセシウム原子の衝突によるセシウム交換反応の反応速度定数を量子化学計算及び擬古典トラジェクトリー計算により評価した。その結果、3.610cm/molecule/sという大きな値が得られた。また、わずかながら正の温度依存性を持つことが示され、長距離相互作用による引力ポテンシャルと解離プロセスの影響がその原因と考えられた。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; Borschevsky, A.*; Beerwerth, R.*; 金谷 佑亮*; 牧井 宏之; 水飼 秋菜*; 永目 諭一郎; 長 明彦; 豊嶋 厚史; et al.
Journal of the American Chemical Society, 140(44), p.14609 - 14613, 2018/11
被引用回数:29 パーセンタイル:69.01(Chemistry, Multidisciplinary)第一イオン化エネルギー(IP)は、原子の価電子軌道に関する情報を与える。99番元素アインスタイニウムよりも重いアクチノイドのIPは、一度に一つの原子しか扱うことのできない実験の難しさから、これまでに実験的に測定された例はなかった。我々は表面電離法を応用した新しい測定手法により、103番元素ローレンシウム(Lr)のIP測定に成功し、Lrが弱く束縛された最外殻電子をもつことを強く示唆する結果を得た。一方、Lrとは対象的に、102番元素ノーベリウムは充填された5f軌道および7s軌道をもつために、アクチノイド中最高のIPをもつと考えられている。表面電離法によるIP決定法をNoおよび100番元素フェルミウム, 101番元素メンデレビウムに適用することにより求められた各IPから、5f軌道への電子の充填に伴ってIPが単調に増加し、Noで最も大きくなることを確かめることができた。このことから、f軌道に電子が充填され、アクチノイド系列がLrで終わることを実験的に確かめた。
関口 哲弘; 横山 啓一; 魚住 雄輝*; 矢野 雅大; 朝岡 秀人; 鈴木 伸一; 矢板 毅
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.161 - 164, 2018/11
長寿命放射性核種であるセシウム-135(Cs)の除去に向け、Cs元素の同位体分離技術の確立を目指す。同位体選択的レーザー光分解によりCs原子が選択的に生成される。Cs原子(Cs)とヨウ化セシウム分子(CsI)との衝突による同位体交換を防ぐ目的で、Cs原子だけを選択的に捕集し、CsI分子を吸蔵しないような炭素材料の開発を行う。今回、吸蔵剤候補としてフラーレンC分子を用い、Csの深さ方向の濃度分布を評価する実験を行った。角度分解X線光電子分光法およびArイオンスパッター法を行い、室温におけるC固体へCs原子およびCsI分子がどの程度材料深部へ吸蔵されるかを調べた。CsI分子がC固体表面の浅い領域に堆積するのに対し、Cs原子はC固体深くに浸透するという実験結果を得た。Cs同位体分離のための選択吸蔵材料としてフラーレン固体が有望であることを示す結果である。
赤木 浩*; 熊田 高之; 乙部 智仁*; 板倉 隆二*; 長谷川 宗良*; 大島 康裕*
Applied Physics B, 124(1), p.14_1 - 14_8, 2018/01
被引用回数:2 パーセンタイル:14.58(Optics)新たな同位体分離法を目指したフィールドフリーアライメントによるイオン化効率の同位体選択性を計算した。従来のフェムト秒レーザーを用いたフィールドフリーアライメント法では、レーザー強度を強くするとイオン化の選択性が無くなってしまうのに対し、200fsでカットオフするナノ秒レーザーパルスを用いると選択性を保持したまま高い同位体選択イオン化が実現することが判明した。
園田 哲*; 飯村 秀紀; Reponen, M.*; 和田 道治*; 片山 一郎*; Sonnenschein, V.*; 高松 峻英*; 富田 英生*; 小島 隆夫*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 877, p.118 - 123, 2018/01
被引用回数:4 パーセンタイル:38.11(Instruments & Instrumentation)理化学研究所の不安定核ビーム施設(RIBF)では、低エネルギー(~40keV)の不安定核イオンビームを生成するために、レーザーイオン源(PALIS)を建設中である。このイオン源は、Arガス中に捕獲された不安定核の中性原子に、波長の異なる2本のレーザービームを照射し、不安定核原子を2段階で共鳴イオン化する。しかるに、レーザー装置とイオン源は約70m離れており、しかも実験中は放射線強度が高いためにイオン源周辺に近づけない。そこで、レーザービームを長距離輸送する、遠隔操作が可能な光学システムを開発した。開発したシステムを試験した結果、レーザービームの位置は安定しており、紫外域で50%程度の輸送効率があることから、不安定核の実験に有用であることが確認された。
佐藤 哲也
原子核研究, 61(1), p.96 - 106, 2016/09
103番元素ローレンシウム(Lr)の第一イオン化エネルギーを測定することによって、Lrがアクチノイド最後の元素であることを初めて実験的に証明した。その結果は、化学的性質を特徴付ける基底状態の電子配置が周期表からの予想と異なることを強く示唆するものだった。新たに開発した実験手法について解説するとともに、発表後の反響についても紹介する。
佐藤 哲也
Isotope News, (740), p.16 - 19, 2015/12
103番元素ローレンシウム(Lr)の第一イオン化エネルギーを測定することによって、Lrがアクチノイド最後の元素であることを初めて実験的に証明することができた。その結果は、化学的性質を特徴付ける基底状態の電子配置が周期表からの予想と異なることを強く示唆するものだった。
佐藤 哲也
日本原子力学会誌ATOMO, 57(11), p.741 - 744, 2015/11
103番元素ローレンシウムの第一イオン化エネルギー測定の結果、我々はローレンシウムがアクチノイド最後の元素であることを初めて実験的に証明した。その一方、得られた実験結果から推測される電子配置からは、ローレンシウムは13族に類似した最外殻電子軌道をもつことが示唆された。本研究により、ローレンシウムとルテチウムの周期表における位置に関する議論が再燃した。一連の研究成果とその後の議論について、解説する。
佐藤 哲也
放射化学, (32), p.34 - 41, 2015/09
表面電離イオン化過程におけるイオン化効率は、対象原子の第一イオン化エネルギーに依存することが知られており、この関係を利用することで、イオン化エネルギーを決定することができる。この手法は、低生成断面積・短寿命のためにイオン化エネルギーが測定されていない重アクチノイド元素ローレンシウム(Lr)の第一イオン化エネルギーを決定するために開発した。本手法について、詳しく解説する。
佐藤 哲也; 永目 諭一郎; 塚田 和明
化学と工業, 68(9), p.824 - 826, 2015/09
103番元素ローレンシウムの第一イオン化エネルギー測定の結果、我々はローレンシウムがアクチノイド最後の元素であることを初めて実験的に証明した。その一方、得られた実験結果から推測される電子配置からは、ローレンシウムは13族に類似した最外殻電子軌道をもつことが示唆された。本研究により、ローレンシウムとルテチウムの周期表における位置に関する議論が再燃した。一連の研究成果とその後の議論について、解説する。
田村 浩司; 小澤 正基*
Journal of Nuclear Science and Technology, 52(6), p.872 - 877, 2015/06
被引用回数:2 パーセンタイル:17.52(Nuclear Science & Technology)セシウムのレーザー同位体分離を目指し、レーザー光化学反応を、狭帯域チタンサファイアレーザーによる2光子励起スキームに基づき、長寿命放射性核種のリスク低減のために検討した。水素ガス中でのセシウム励起により、セシウム水素化物の微粒子生成を確認した。この結果は、効率的セシウム同位体分離に有効な方法である。
岩井 保則; 久保 仁志*; 大嶋 優輔*
化学, 70(5), p.35 - 40, 2015/05
核融合の実現に向けた研究開発として、トリチウム水と軽水素ガスを接触させ、水蒸気-水素間の水素同位体の交換を可能にする疎水性触媒作成技術の開発に成功した。本触媒は、核融合炉で発生しうるトリチウム水の減容・濃縮に適用できる。一般の触媒は水蒸気雰囲気では触媒性能を失うため、本触媒は高濃度の水蒸気雰囲気でも触媒の活性を維持するために本触媒は特殊な疎水性処理を施している。水素の同位体であり放射性のトリチウムを燃料として大量に使用する核融合プラントでは、環境中へのトリチウム放出を抑制するために、トリチウムを酸化処理し、水形にしたのちに吸着剤等で除去を行う。貴重な資源であるトリチウムを燃料として再循環させるために、核融合プラントではトリチウム水を濃縮し、ガス形に変換するトリチウム水処理システムを設ける。トリチウム水処理システムはその技術的難易度ゆえに核融合トリチウム関連技術で唯一国内にてシステム実証されておらず、本触媒の開発によりその大きな技術的ハードルを越える見通しを得た。本成果の研究過程と期待される波及効果を含め解説する。
横山 啓一; 松岡 雷士*
日本原子力学会誌ATOMO, 56(8), p.525 - 528, 2014/08
長寿命核分裂生成物のセシウムの同位体分離に関する背景と理論、実現性、関西光科学研究所における研究活動内容を紹介する。
渡辺 智; 片渕 竜也*; 石岡 典子; 松橋 信平; 村松 久和*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 272(3), p.467 - 469, 2007/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.31(Chemistry, Analytical)Xe内包フラーレンの空フラーレンからの単離の可能性を調べることを目的とし、Xe内包Cフラーレンを生成してHPLCによる溶離挙動を調べた。蒸着法によりCフラーレンターゲットを作製し、同位体分離器を用いてXeをイオン注入した。照射後のターゲットをo-ジクロロベンゼンに溶解してHPLC分析をした結果、XeとCとのピークの強い相関が見られたことから、Xe内包Cフラーレンの生成が確認できた。また、Xe内包Cフラーレンのピークと空のフラーレンのピークとに、わずかなずれが認められたことから、空のフラーレンからのXe内包フラーレンの単離の可能性を示した。
深田 智*; 林 巧
日本原子力学会誌, 47(9), p.623 - 629, 2005/09
核融合炉の燃料処理技術については、なぜ重水素とトリチウムを燃料として使用し循環処理する必要が有るのか、どのようにプラズマ排ガスから水素同位体を精製し、重水素やトリチウムを同位体分離し、効率よく貯蔵(供給)するのかを解説する。また、トリチウムの安全取扱技術についても、その性質や安全取扱の考え方を整理し、万一の想定異常時にいかに検知し、除去し、その除去したトリチウム(トリチウム水)を処理するのかを解説する。
岩井 保則; 山西 敏彦; 西 正孝; 鈴木 優*; 栗田 晃一*; 島崎 正則*
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(6), p.566 - 572, 2005/06
被引用回数:6 パーセンタイル:40.41(Nuclear Science & Technology)核融合発電プラントに向けた新たな水処理プロセスとして気相吸着法に着目した。気相吸着法は同位体分離機能と迅速な脱水機能を有する新たなトリチウム処理プロセスとして、また大量のトリチウム水処理に対する第一段階のシステムとしての適用が期待される。NaXゼオライト吸着剤を用いた吸・脱着実験を実施した。気相吸着法における水分吸着剤候補であるNaXゼオライトのトリチウム水分離機能について、明確にHOとHTOで破過時間が異なることが観察された。よって、その差を利用してトリチウム濃縮水とトリチウム減損水に分離することが可能であることを実証した。迅速な脱水は減圧とパージガスの流通により達成される。減圧により脱着した水蒸気はその一部分がパージガスにより系外に移送されるが、残りは吸着材に再吸着する。再吸着した水分は拡散により徐々に脱着する。高脱着率を得るには吸着時と脱着時の圧力差を大きくすることが有効であることを確認した。また十分な水蒸気保持容量を持つパージガスを流すことが高い脱着率の確保に必須であることを明らかとした。